大園桃子の「ドラマ型個人PV」の軌跡にある演者としての確かな成長【乃木坂46「個人PVという実験場」第8回 3/4】の画像
※大園桃子/画像は本サイトの記事(https://exweb.jp/articles/-/74414)より抜粋

乃木坂46「個人PVという実験場」

第8回 3期生にとっての個人PV 3/4

大園桃子という存在

 乃木坂46の3期メンバーが主演する個人PVがしばしば「乃木坂46のメンバーになった彼女たち」を俯瞰するメタ的な構造をもつことを先週(/articles/-/80518)、先々週(/articles/-/80449)の更新分ではみてきた。

 他方、「俳優を育む場所としての個人PV」という観点に立ち戻るとき、3期生の個人PVにおいて強い存在感をもって浮上するのが、大園桃子という存在である。3期生初の個人PVが制作された『インフルエンサー』、その一年後の『シンクロニシティ』、さらに同年の『帰り道は遠回りしたくなる』と、大園は続けてドラマ型作品の主演を担っている。その軌跡は、個人PVが演者のポテンシャルを引き出す場としてあることを確かに示すものだ。

 2017年、大園が表舞台に立つようになってまだ間もない時点で撮られたドラマが、『インフルエンサー』収録の「バージン・ブリーズ」(監督:松本動)である。

https://www.youtube.com/watch?v=oa64CLRz9k4
(※大園桃子個人PV「バージン・ブリーズ」予告編)

 離れて暮らす娘(大園)のもとに父親(今谷フトシ)が訪れ、彼が懇意にしているバーで再会する。二人の会話からは、反発と親しみが相半ばする不器用な間柄、また父と母および娘の距離感が端々に示唆される。

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