■ネイサンは羽生との違いにも言及
名門大学に在籍しているという点では、イェール大学で学ぶネイサン・チェンも同様。
「2018年9月にイェール大に入学してから、ネイサンはスケーターと学生の“二足の草鞋”生活を送っています。大学の授業を優先して四大陸選手権も欠場したほどで、どれだけハードな生活なのかと心配になりますが、ネイサンにとってはそんな日々が心地良いそうです。
というのも、ネイサンは2020年2月号の『文芸春秋』(文芸春秋)のインタビューで、“大学で勉強をしはじめてから、新しい世界が開けた。世の中はスケートがすべてではないという当たり前の現実を実感し、気持ちが楽になった”と話しています」(前同)
ネイサンは羽生と自分の違いにも言及していた。
「羽生と自身を比較して、“ユヅは絶対に勝ちたいという気持ちを前面に出すことで驚くような力を出すことができる選手”、一方自身については“そうやって自分を奮い立たせるということが、性格的に向いていないと最近わかってきた(中略)。闘志を前面に出せば出すほど気持ちがからまわりして、体をうまくコントロールすることが難しくなる”とも話しています。
“スケートがすべて”と自身をストイックに追い込み闘志を奮い立たせる羽生と、“スケートがすべてではない”ことが心の余裕につながり、本番で楽しむことで力が発揮できるネイサン。同時代に生まれたライバルながら、タイプは正反対の2人なのです」(前出のスポーツライター)
互いにリスペクトしながらも、おもしろいほどメンタル面は真逆の両者が次に顔を合わせるのは、3月16日に開幕する世界選手権の予定。2人がどんな演技を見せてくれるのか、楽しみに待ちたい。
(2020年2月27日公開)