■爆竹を鳴らし、馬に乗って

 一方で、戦国武将を語るうえで欠かせないのが乗馬。足腰を鍛えるには、うってつけのスポーツだ。

「『信長公記』によると、“御爆竹”というイベントで、楽しみながら体を鍛えていました。側近の者らを南北の陣に分け、爆竹を鳴らし、はやし立てながら馬に乗って戦う、ある種の訓練で、信長自ら参加していたといいます」(歴史小説家)

 戦国時代の庶民の平均寿命が30〜40歳とされる一方、戦国武将は、それよりはるかに長い52.9歳というデータもある。歴史学者の渡邊大門氏も、「戦国武将は戦いに備えて、剣術、弓矢、馬術、鷹狩りなどの武芸の鍛錬を欠かしませんでした」と解説する。こうした日頃の鍛錬が、寿命に大きく関わったのだろう。

 乗馬は真似できなくとも、「歩いて足腰を動かすことで、健康的な体を維持することができます」(前出の植田氏)というから、2021年の目標を立てるときの参考にしたい。

 歩くというと、こんな“信長流”健康術も。

「当時のスペインの商人、アビラ・ヒロンの『日本王国記』には、信長がわら草履で散歩していたとあります。高温多湿の日本で、わら草履ほど通気性がよくてウォーキングに適した履物はありません。さらに、足の裏は、いろんなツボの集中しているところです。自分の足に合わない靴をはいていると、それだけで健康を損なう恐れがあり、わら草履をはかないまでも、まずは、自分の足に合った靴をはくのが大切でしょう」(前同)

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