小説『焼餃子』著者ד日本一食べる”餃子番長アツアツ対談『餃子の魔力』(1)「コロナ禍でお取り寄せ餃子ブーム到来!」の画像
美味しそうに餃子を食べる蜂須賀敬明さん(左)と小野寺力さん

 コロナ禍のせいで好きなものも食べに行けない日々が続いている。胃袋もストレスを感じている昨今、実はブームなのが「お取り寄せ餃子」なのだ。焼くだけで簡単に全国の名店の味を楽しめるとあって、人気急上昇中。その種類はなんと1500種類以上というからビックリ。今回は、誰もが好きな国民的グルメの秘密を、小説『焼餃子』を執筆した蜂須賀敬明さんと餃子番長・小野寺力さんに熱く語ってもらいました!

――昨年の10月に、驚きの小説が刊行されました。なんとタイトルは『焼餃子』。著者は2016年に松本清張賞を受賞して小説家デビューした蜂須賀敬明さん。本書は太平洋戦争末期を舞台に、死にかけの脱走兵・グンゾーが焼餃子を食べて生き長らえた場面から始まります。「この未体験の幸福感と美味は一体何なんだ!」と餃子に魅入られたグンゾーは、究極の餃子を求めて旅に出ることに。物語は戦後の冷凍餃子の興隆にまで続く大河ロマン小説で、国民的グルメがどうやって生まれたのかがよくわかります。この奇想天外な小説を、どうして書こうと思ったんですか?

蜂須賀 もともと、僕の父親が東京都の杉並区に住んでいて、満州から帰ってきた「中村さん」という餃子好き一家の話を聞いていたんです。中村さんは餃子を「焼きまんじゅう」としてその界隈で流行らせていた。人知れず餃子で地域を盛り上げていたという話が忘れられず、「焼餃子ってどうして生まれたんだろう?」「どうやって流行っていったんだろう?」と思っていたんです。でも、焼餃子は誰が中国から持ち帰って、どうやって考案したのか、諸説あるんですが、定かではない。だったら、自分で小説にしてやろうと思ったんです。

話題の小説『焼餃子』(双葉社刊・1900円+税)
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4