小説『焼餃子』著者ד日本一食べる”餃子番長アツアツ対談『餃子の魔力』(2)「関東以外にもいろいろな餃子文化があります」の画像
世界の餃子について語る蜂須賀敬明さん(左)と小野寺力さん

 コロナ禍のせいで好きなものも食べに行けない日々が続いている。胃袋もストレスを感じている昨今、実はブームなのが「お取り寄せ餃子」なのだ。焼くだけで簡単に全国の名店の味を楽しめるとあって、人気急上昇中。その種類はなんと1500種類以上というからビックリ。今回は、誰もが好きな国民的グルメの秘密を、小説『焼餃子』を執筆した蜂須賀敬明さんと餃子番長・小野寺力さんに熱く語ってもらいました!

――関東以外の地方の餃子はどうやって広まったんですか?

小野寺 宮崎県でいえば、満州から引き揚げてきた人が延岡で餃子屋を開き、そこで修業した人たちが高鍋町をはじめ県内各地で餃子を流行らせていったという話です。高鍋町は人口2万人ほどの町ですが、餃子を扱う店が18軒ある「餃子のまち」なんです。博多では鉄板餃子が有名ですが、もともと八幡製鉄所のある八幡で発生して、それが博多に流入しました。とはいっても、八幡の鉄鍋を使っているわけではない。京都などでナポリタンを熱々の状態で提供するために鉄鍋で出しているのにインスパイヤされて、「これで餃子を出せばいいじゃないか!」となり、「八幡といえば鉄だ!」と、うまくマッチングした結果だったんですね。

――博多の餃子といえば小ぶりな印象ですが、あれはなんでなんですか?

小野寺 実は博多の餃子だけが小さいわけではない。東に行けば行くほど大きくなる。西に行けば行くほど薄くて小さくなる傾向があります。東に行くと皮の触感を楽しむことに重きをおくのですが、西は皮とあんのくちどけを重視するために薄い。そのあたりはだいぶ違いがあります。

蜂須賀 初めて聞く話ばかりです。ルーツを辿ることばかり考えてきたので、現代の餃子事情に触れて感動しております!

小野寺 でも、私は世界の餃子事情はそんなに知らないので、そのあたりは蜂須賀さんのほうが詳しいでしょう。

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