浅野ゆう子
※画像は『ゴールデン☆ベスト 浅野ゆう子~RCA/FUNHOUSE YEARS』より

アイドル食堂・第60回 暖暮

W浅野がアイドルだった頃

 アイドルだってメシを食う。このところ温故知新を意識し、「アイドルだった過去が半ば葬り去られている女優」シリーズが続くが、今回は真打ち登場で、浅野ゆう子を採り上げる。浅野温子とのW浅野で知られる、トップ・オブ・トレンディ女優である。

 とはいえ小生、バブル期の泡沫には目もくれず、ひたすら地味な出版業界で、ほぼ今と変わらない日々を送っていたので、トレンディドラマといわれても、現代っ子ほどの知識もない。カラオケで誰かが歌う主題歌を聴けば、当時の映像が画面に流れるので、「ああ、さんざん予告編は見たな」と思い返せる程度だ。だから、浅野ゆう子の代表作って……?と、今も慌ててプロフィールを眺めている。

 1988年にフジテレビ系の『君の瞳をタイホする!』のヒロインに抜擢され、一躍ブレイクしたと。陣内孝則柳葉敏郎三上博史主演の刑事物のコメディでしょ? 何編か見た記憶があるが、シングルマザー役でしたっけ?

 さらに同年、フジ系『抱きしめたい!』で浅野温子と初競演。そこで同世代から圧倒的な人気を得たというのは覚えている。しかし、内容はさっぱり……。ウィキペディアを見ても、筋書きにまったく触れてないじゃないか! バブルとはまさしくそんな、ファッションや気分が優先される、空疎な時代だった。

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