■馬場と元子の結婚式がハワイで…

 危機感を強く抱いたのは元子だった。驚きの行動に打って出たのは71年4月のこと。馬場には手紙で事後報告をした。

〈社長の考えを聞かせてほしいとお願いして2時間2人だけでニュージャパンで話しをしました。正平にとってはデシャバルナと云いたいところでしょうが今回は本当に私も心配になってしまったのです。正平の仕事の面で心配と云うのじゃなく今ハッキリ云って少し人気も下り気味です〉

 元子は日本プロレスの社長・芳の里に面会し、ジャイアント馬場の「今後」について意見交換をしたのである。そもそも馬場にとって猪木は弟分でありライバル視はしていない。それは生涯変わることがなかった。だが、元子の大胆な行動と〈人気も下り気味〉という直言によって、11月2日の挙式が予定されている猪木より先に結婚式を行うべし、との結論に達した。

 しかし、その極秘プランもまた実現には至らず、馬場と元子の結婚式は71年9月16日、ハワイでひっそり挙行された。入籍も82年にようやく果たされた。

 一連の紆余曲折や「子ども」に対する馬場夫妻の思いなどについては、拙著をご一読いただければ幸いである。

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