やがて三浦半島が舞台となるこの作品は、独特のテンポを保ちながらいささか不条理な軌道を描いて幕を閉じる。作中で橋本が出会う登場人物の振る舞いも各シーンの展開も、明確に虚構として形成されている。

 そして、最後まで旅先の風景や紀行そのものが主役になることはなく、作品に与えられたテーマを橋本がしつこく問い返すことに主眼が置かれ、このシングルの個人PVのうちでも異質な手ざわりをもつものになった。

■「アイドルシーン」にとっての異端

 続く4枚目シングルの個人PVでは、テーマが「苦手克服」となったことで、各作品はさらにTVバラエティ的な仕上がりで統一されていく。しかし、ここでも橋本の個人PVは再度、個人PVを制作する打ち合わせ風景からスタートする。

https://www.youtube.com/watch?v=LiyWbZxLkmk
(※橋本奈々未個人PV「自撮り」予告編)

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