■アイドルが使える最大の魔法

 そのまま突入したライブでの桐原さんは、トークと正反対で、自分をしばる窮屈なものがない音楽の世界であらゆる感情が全開放されていました。そのライブがあまりにも楽しそうでますます泣いてしまったことは言うまでもありません。

 なぜだか彼女が歌う姿を見ていると、わたしの苦しい気持ちを半分うけとめてもらったような気がしました。それは少しだけ解放に似ていました。では、なにから解放してくれたのかと考えると、それは「しがらみ」かなと思います。

 誰かにくらべてできがわるい、誰かにくらべてうまく話せない、誰かにくらべて努力がたりない、誰かにくらべて……と、永久に自分を減点しつづけていく自己嫌悪ゲームから切り離してくれる。

 アイドルは世界と自分の比較をストップさせてくれるし、わたし自身がエサをあげて育てつづけてしまう自己嫌悪を、「それはいったん横においておこうよ」と、肩を軽やかに叩いてもくれます。アイドルが歌っている時間だけは、「あなた」と「わたし」で完結するとてもシンプルな世界に行くことができるのです。それはアイドルが使える最大の魔法です。

 その日の配信は、まさにそれでした。

 ところで、桐原ユリさんのTwitterのbioには「アイドルに憧れてライブを始める」と書いてあるのですが、この魔法が使えるということはつまり……もう完璧にアイドルなのでは? と思うばかりです。

愛せない日常と夜中のイヤホンで流れるアイドル

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