■最多出場はあのマジシャン!
座布団といえば、座布団運びも番組に欠かせない役割だ。座布団といえば、座布団運びも番組に欠かせない役割だ。前出の毒蝮は当時を振り返る。
「あれが人生の一大転機でした。俺は、それまで『ウルトラマン』で地球を救う隊員を演じたりしていたんです。そこへ、学生時代からの腐れ縁で、ウマが合う談志に“座布団運びやれよ”って口説かれまして」
当時、石井伊吉という芸名で俳優活動をしていた毒蝮は、“座布団運びという役”を演じるつもりで、しかたなく引き受けた。
「だから、芸名とは別に、番組内で『毒蝮三太夫』というふざけた名前をつけられたんですよ。談志は“どうせ売れない役者だろ。名前変えたほうが売れるぞ”と言ってきて、結局、それが正式な芸名になるんですが(笑)」(前同)
毒蝮は座布団を引っ張り上げて転ばせるなど、出演者に忖度なしの座布団運びをして笑いを取った。
「談志は“お前は漫談家を目指せ”と。こうして、今の私があるんです」(同)
“笑点の座布団運びは、日本の芸能界で最もハリウッドに近い仕事だ”という俗説もある。
「なぜなら、2名が世界的に著名な映画に出ているからです」(映画ライター)
主に三波司会時代に座布団運びを担当した松崎真は、もともと俳優だった。
「松崎は『007は二度死ぬ』でショーン・コネリーと共演。さらにブルース・リーの『燃えよドラゴン』に出演した。そして、後任の山田隆夫(64)はスティーブン・スピルバーグ監督の『太陽の帝国』で日本兵を演じました」(前同)
番組に華を添える、演芸コーナーのゲスト陣の存在も忘れてはならない。
「最多出演者は縦縞を横縞に変えるマジシャン・マギー司郎。その他の常連ゲストに漫談のケーシー高峰、堺すすむ、漫才のおぼん・こぼん、マジックのナポレオンズらがいます」(前出の放送作家)
また、特番で人気タレントが大喜利に挑戦することも多い。
「正月特番には、晴れ着姿の美女が登場するのがお約束。近年は綾瀬はるかが常連化しています」(前同)
コロナ禍の『笑点』は、リモート収録期間を経て、感染予防対策を徹底したうえでのスタジオ収録形式になり、暗い日本に、明るい笑いを届け続けている。
※文中一部敬称略。基本的に芸名は当時のものです。