■“真っ赤な血尿”で早期発見

 ちなみに、血が排泄物に混じる症状は、膀胱がんや腎臓がんも同様だ。

「血尿が見られる場合、尿路結石とともに、膀胱がん、腎臓がんを疑うべきです。ただ、尿で薄まっているので真っ赤でなく、ピンク色に見えるかもしれませんし、よく見ても分からないこともあります。血尿が一度でもあれば、念のため泌尿器科を受診してください」(同)

 先日、お笑いコンビ・サンドウィッチマン伊達みきおも、膀胱がんの手術を受けたことを公表した。

「きっかけは“完全に鮮血”の血尿だったそうです。検査すると、ステージ1のがんが発覚。1週間程度の入院ですでに仕事復帰も果たしていて、早期発見の重要性を知らしめてくれたと言えますね」(芸能記者)

 さて、胃がん、肺がん、大腸がんは、罹患率が高いうえ、男性のがん死亡数のワースト3を占めている。男の大敵とも言える病だが、必ず初期症状が出るとは限らない。それだけに、前出の水上氏は定期的ながん検診を勧める。

「男性の場合、がん全体の死因の半分近くを占めるのが、この3大がんです。胃がんには胃カメラ検査、肺がんにはCT検査、大腸がんには内視鏡検査を、50歳以上なら1年に一度、50歳以下なら2年に一度、受けるべきです」(前同)

 健康診断などで受けるバリウム検査や胸部レントゲン検査、検便は発見精度がやや劣るというから要注意。

 そして、男性特有といえば、前立腺がんを忘れてはならない。3大がんをも超える罹患リスクがある、男の“最強の敵”だ。

 初期症状となる頻尿、尿が出にくい、残尿感は、前立腺肥大症の症状と同じ。心当たりがある人は、簡単で精度の高い「PSA検査」を受けたい。しかし――。

「60歳以上によく見られるがんですが、60歳以上の方がかかった前立腺がんの5~6割は、ほとんど進行しないんです。なので、私は70歳以上の方にPSA検査をオススメしません。仮にがんと診断されても、手術が必要ないケースも少なくないからです」(前出の福田氏)

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