■ゴーン氏逮捕から続く日産の不振

 日産自動車については、2018年11月に元会長のカルロス・ゴーン氏(67)が金融商品取引法違反で東京地検特捜部に逮捕。さらにゴーン氏は2019年12月にはレバノンに亡命し、世間に大きな衝撃が走った。

 また、2019年9月にはゴーン氏の後任としてCEOを務めていた西川廣人氏(67)が辞任。その理由は、株価連動型報酬制度「SAR」を利用し、社内規定を超えた不正な報酬の取得があったことが社内調査で発覚したためだ。

「本人は意図的な不正ではないと主張し、社内調査でも違法性がないという判断でしたが、西川氏は辞任に追い込まれています。さらに昨年は新型コロナウイルスの感染拡大で世界的に自動車が売れなくなり、資金繰りが悪化。

 親会社のフランス・ルノーが昨年7月に発表した1-6月期の純損益は、72億9000万ユーロ(約9000億円)と過去最高の赤字を記録し、その赤字のおよそ3分の2に当たる48億ユーロ(約5950億円)が日産によるものでした」(夕刊紙記者)

 2020年9月には、政府系金融機関の日本政策投資銀行が同年5月に決めた日産への1800億円の融資のうち、1300億円について、事実上の政府保証をつけていたと報じられた。

「大企業への融資の保証額としては過去最大規模でした。ただ、日産の返済が滞った場合、8割を実質国が補填するという保証で、国民の負担をともなう可能性が浮上。日産に対しては批判的な意見が殺到してしまいました」(前同)

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