■介護業界はシニアの求人も多い

 まず、高齢化が進み、人手不足に陥っている介護業界から。シニアの求人も多い業界だ。

「介護の現場で重宝されるのは国家資格の“介護福祉士”ですが、3年の実務経験か専門学校などを卒業する必要があり、試験も難しいですね」(人材派遣業者)

 そこで注目は、民間資格の「レクリエーション介護士」。介護の現場で高齢者を楽しませるノウハウがあるかないかを問われる資格だが、受検資格はなく、介護施設での需要は高い。現在、埼玉の介護施設で働くAさん(64)は言う。

「面接で事前にこの資格を取った熱意が認められて、採用されました。スタッフに“どんなレク(娯楽)がいい?”などの相談を受けることも多く、入居者の方笑顔も見られて、やりがいにつながっています」

 シニアに人気のマンション管理人は、難しい国家資格よりも民間資格が狙い目だ。国家資格の「マンション管理士」は、管理組合への助言なども行うため、学習期間が1年ほど必要で、合格率は約8%と低い。760個以上の資格を持ち、情報サイト『オールアバウト』で「資格」ガイドを務める鈴木秀明氏は言う。

「受付や清掃、設備点検の立ち会いなど、一般の管理人に求められることを学ぶには、民間資格の“マンション管理員検定”で十分。取得もずっと簡単ですし、面接でプラスになります」

 意外な資格が、再就職で強みを発揮することもある。車好きでタクシー運転手を目指す人にうってつけなのが、「東京シティガイド検定」だ。

「東京の観光名所や歴史が幅広く出題されますが、受検者の約4割がタクシーやバスのドライバーさんです」(前同)

 その理由は、タクシーで観光案内を希望する乗客が想像以上に多いため。東京ハイヤー・タクシー協会認定の「東京観光タクシードライバー」になるにも、この検定の合格が条件という。

 こうしたご当地検定は全国各地にあるので、タクシー業界への再就職を考えるなら、チェックしたい。

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