■「フォークリフト運転技能者」は大きな武器

 最大荷重1トン以上のフォークリフトを運転するのに必要な資格が「フォークリフト運転技能者」。運送会社や倉庫、工場や工事現場など、幅広い業種で重宝されるうえ、小売業でも活躍できるという。

「商品を搬入するときに、一人いてくれると助かりますね」(大手スーパー社員)

 自動車教習所などで講習を受けられ、合格率はほぼ100%。普通運転免許を持っていれば、学科講習が11時間から7時間に短縮される。

「こうした特殊な技能を持つ人は少ないため、再就職の大きな武器になります。また、特別手当がつくことで、収入面もアップします」(前出の福林氏)

 シニアが若い世代より有利な業界を狙う手もある。たとえば葬儀業界だ。

「この世界ではスタッフの人柄が重視され、なにより信頼感や安心感が求められます。その点、中高年の方はいるだけで安心できますから」(葬儀関係者)

 葬礼関係の資格には「葬祭ディレクター」「お墓ディレクター」などがあるが、いずれも実務経験が必要だ。

 未経験者でも受検できるのは、「葬送儀礼マナー検定」。検定の問題はお参りの作法や香典マナー、盆や彼岸の知識など、ごく身近なものだ。受講を申し込むとテキストが郵送され、90日以内に自宅のパソコンやスマホで簡単に受検できる。

 富山県のBさん(66)は、親友の葬儀を落ち着いた様子で進めたスタッフの姿を見て、葬祭の仕事に興味を持った。だが、葬儀社に知り合いはいない。

 きっかけをつかもうと、この検定を受け、合格通知を手に、地元の葬儀社に飛び込んだという。

「社長は面食らった様子でしたが、資格を取った理由を話すと、ちょうど人手が足りなかったようで、快く面接をしてくれました」(Bさん)

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