2014年の『夏のFree&Easy』MVは、乃木坂46のシングル表題曲のなかでも、最も東京の街並みが強くフィーチャーされた作品である。このMVではメインのダンスショットおよびセンターを務める西野七瀬のソロカットを、渋谷・井ノ頭通り沿いの「Bershka」渋谷店の中で撮影しているが、メンバーの背後にはガラス張りの壁越しに、センター街方面へ向かう渋谷の街を遠景に臨むことができる。実際に渋谷の路面に降り立ってダンス撮影をすることは容易ではない。しかしここでは、透明なファサードを活用した借景を巧みに用いる趣向によって、渋谷の街中にメンバーのダンスショットを配置してみせている。

『夏のFree&Easy』MVを手がけた丸山健志は、グループ最初期から継続的にMV監督として参加し、乃木坂46の映像作品のスタイリッシュさを担保してきた人物である。同時に丸山は、乃木坂46作品の中で、渋谷~原宿エリアにロケーションをとった映像作品を繰り返し担当し、都市的な存在としての乃木坂46を描いてきた。

https://www.youtube.com/watch?v=r3HFM3aSyyM
(※「世界で一番 孤独なLover」MV Short Ver.)

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