『ドラゴン桜』第4話キンプリ高橋海人「役者としての分岐点」になる涙!の画像
ドラゴン桜(※画像はTBS公式サイトより)

ドラマ『ドラゴン桜』(TBS系)の第4話は、闇金からの嫌がらせに怯える姉を気遣い、他人に迷惑をかけたくないと悩み奔走する瀬戸(髙橋海人/22)を描きながら、世の中の厳しさの真っただ中にいる人の苦悩と、苦境を乗り切るための賢い生き方や考え方を説く桜木(阿部寛/56)の強さと優しさを見せつけてきた。

 瀬戸の実家『瀬戸屋』の危機に視聴者が釘付けになった。視聴率も初回放送に次ぐ14.3%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録、Twitterでトレンド世界一位になるなど、まさに勢い“爆上げ”だ。社会の仕組みでいう『搾取される側』の瀬戸をめぐる展開に心を掴まれて今でも心が震える。感動の“瀬戸の回”といっていいだろう。

■瀬戸が手放せない単語カードに秘められた思い

 瀬戸の実家であるラーメン屋『瀬戸屋』が危機に陥っていることをいち早く察知していた桜木だが、すぐには動かず世間の厳しさを教えたのは見事だった。借金を返済しようとガソリンスタンドでバイトをするのだが、作業中も単語カードを手放せない。バイトからの帰り道で、岩井(西垣匠/21)と小橋(西山潤/22)がたまり場であるカフェで勉強しているのを見て、手に持っていた単語カードをぎゅっと握りしめるのも気持ちが伝わってくる。

 この単語カードは、瀬戸の東大専科への思いを表現するための小道具として、とても重要な使われ方をしている。授業で気になる英単語を書き綴り時間があればめくっていたこの単語カードは、瀬戸の勉強することへの強い思い入れを綴っているようにも見える。借金返済のために高校をに辞めて働くつもりでいたが、単語カードは手放せないし、積み重ねた思いを消せないままでいることがよく分かる。

 そして、このくすぶった思いを抱えている瀬戸の表情にも目が離せない。苦しい思いを『他人に迷惑をかけたくない瀬戸』らしく、気持ちさえ悟られないようにと押し殺した顔をしているのだ。瀬戸に向けた桜木の台詞に「湿気たツラしてんなぁ」というのがあるが、まさにこれ。そして『湿気たツラ』が崩れ落ちるにはそう時間はかからなかった。

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