■瀬戸が泣く時はドラマのメインシーンになる
瀬戸が泣くところは見たくない、でも見たい。
瀬戸が涙を流す時は、必ずドラマの山場になる。瀬戸屋が危機だった時に見せた涙は、借金返済という重くて苦しい事実と姉が無理して笑うのを見たくないという強い思い。勉強をしたいという気持ちが芽生えて伸び始めていた時期だったし、両親を亡くしているハンデが重く圧し掛かって潰れてしまいそうだった。それを救った桜木が立ち去った後に見せた安堵の表情と涙も美しかった。
今回は楓が両親に自分のやりたいことと将来を伝えたシーン。父親に頬を叩かれてもひるまずに、知識だけでなく人生で必要なことも教えてもらっているし大切な仲間もできたと伝えた。ここで流した瀬戸の涙が美しかった。
左目から一本の筋がツーッとほほを伝って流れたのは女優か子役と見紛う程だった。また、長回しで撮影したシーンだったのだろう、涙が喉の辺りまで濡れていたのがまたきれいだと思った。これは演じる高橋が持つ魅力の一つで、泣きの芝居が本人の涙として見えるということだ。激しい感情を見せながら泣くのも、静かに泣くことも出来るのは魅力的だし、泣かせてみたいとさえ思えてくる。
そして次回予告でも、瀬戸が泣いているではないか。見るからに蜜状態で夏休みの勉強に集中している東大専科の生徒たちがあまりに可愛くて、全員が合格してほしいと強く願う気持ちで胸がいっぱいになった。これからどうなるのだろう…、次回を楽しみに待ちたい。
(文・青石 爽)
『ドラゴン桜』は、2005年7月期に放送され社会的ブームを巻き起こした同名ドラマの続編となる新シリーズ。原作は『モーニング』(講談社)にて連載中の三田紀房氏による『ドラゴン桜2』で、前作ドラマの15年後のストーリーをオリジナル展開で描く。偏差値32の龍海学園は経営破綻寸前にあり、これを打開すべく学校再建のエキスパート弁護士・桜木建二(阿部寛/56)による再建を図るが、理事長の龍野久美子(江口のりこ/40)は進学校化に反対、生徒は姉と2人で両親が残したラーメン屋を手伝う瀬戸輝(高橋海人/22)、バドミントン全国トップレベルの選手である岩崎楓(平手友梨奈/19)、優秀な弟に劣等感があり見返してやりたい天野晃一郎(加藤清史郎/19)など悩みや問題を抱えた生徒たち。桜木の教え子であり弁護士になった水野直美(長澤まさみ/33)の奮闘にも注目の学園ドラマである。
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