■ジャイアント馬場の逝去後、よく歌った曲

 三沢さんは自身の性格について、市瀬氏のインタビューで、こう語っていた。

〈妥協したくないとか、途中であきらめたくないとか、簡単に言えばそういう俺がいるわけよ。(中略)「俺には関係ねえよ」って言えば終わるんだけどさ。「それじゃお前、悩んでいるヤツがかわいそうだろ」という自分とさ。あとから、あの時やってやればよかったな、と思いたくないんだよね。結局は、自己満足なんだけどさ〉(『週刊プロレス』97年7月15日号)

 仲間が集まる飲み屋では、よくマイクを握り、昔のアニメや特撮ヒーローの曲を歌っていた。特に好きだったのが『ウルトラマンレオ』の主題歌だった。

「“誰かが立たねばならぬ時、誰かが行かねばならぬ時、今この平和をこわしちゃいけない、みんなの未来をこわしちゃいけない”という歌詞に、三沢さんの生き方というか、信念を感じました。馬場さんがお亡くなりになってから、この曲を歌う頻度がグッと上がったんです」(徳光氏)

 99年1月31日、全日本プロレス社長であり、現役レスラーでもあったジャイアント馬場が61歳で突然、この世を去る。

 全日本のエースだった三沢さんは、その3か月後、社長に就任。だが、わずか1年ほどで解任され、自ら辞表を提出すると、00年6月、プロレスリング・ノアの旗揚げを発表した。

JASRAC 出 2105072-101

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