■「動物性タンパクは元気の源。筋肉を動かすことも大事です」

野村将希 1952 年11月13 日、福岡県生まれ。最新情報は公式ブログ『コロッセオの鉄人』を参照。

 70年に『一度だけなら』で歌手デビューし、『水戸黄門』(TBS系)で、屈強な忍者「柘植の飛猿」を演じた野村将希(68)。芸能界屈指の肉体派で、『スポーツマンNo1決定戦』(TBS系)では、「コロッセオの鉄人」の異名を得た。

 野村にとってスポーツマンとしての原点は、小中高とやっていた野球である。

「野球のトレーニングとは別に、体を鍛えるようになったのは、79~81年にアメリカに留学していたことがきっかけなんです」

 エンタメの本場にして、フィットネス先進国であるアメリカで数年間、生活したことが野村の芸能人生を大きく変えたという。

「向こうで筋トレを始め、日本に戻ってきてからも、ずっと続けました」

 帰国後、俳優業を本格化させ始めた頃に、『水戸黄門』のプロデューサーに会ったという。

「プロデューサーは、僕の体を見て“筋骨隆々な忍者がいても面白い”と思ったらしいんです。そこから、『柘植の飛猿』のキャラが生まれた。つまり、僕がマッチョでなければ、飛猿は存在しなかったんです」

 しかし、そんなタフガイでも、時代劇の撮影はしんどかったという。

「撮影所のある京都は冬は寒くて夏は暑い。夏でも厚着をしてカツラをかぶってロケをするので、熱中症で倒れる人もいた。“いかに日陰にいるか”といったことでしか自然に対抗することができなかったですね」

 飛猿を生涯の当たり役とした野村は、今年の3月、名古屋の御園座で上演された舞台『水戸黄門』でも同じ役を演じ、黄門役の里見浩太朗(84)と共演した。

「84歳で座長公演をやる里見さんはモンスターです。しかも、舞台に立つと血が騒ぐのか、激しい立ち回りもやりたがるんですから。御老公がそんなに強かったら、助さん、角さん、飛猿がいる意味がなくなるので困るんですが(笑)」

 野村と里見には、実は一つの共通点がある。

「お酒を体が受けつけない体質なんです。飲まないほうが健康でいられるのは、僕と里見さんが証明しています。お酒が好きな方も、長く元気でいるためには、できるだけ控えられたほうがいいかもしれませんね」

 また野村は、筋トレの大切さを力説する。

「筋肉は使わないと退化しますが、適度にトレーニングをして使うことで、ある程度は維持できる。また、動物性タンパクをとったほうがいい。それが元気の源ですよ。そして、食べたら、じっとしないで体を動かす。それが大事なんです」

 長男はJリーガー、次男は俳優と、息子たちの活躍も目立つ野村だが、自身も生涯現役を目指している。

「6〜7月には明治座と博多座で『神社にラブソングを』という喜劇の舞台に出ます。今後は、いぶし銀の渋い役を演じてみたいという希望もある。できる限り、皆さんにアピールし続けたいと思っています」

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