■『パラサイト』のポン・ジュノ監督も絶賛する映画だったが…

「しかし、(35)の夫だった東出が唐田と3年にもわたって不倫関係にあったことが、昨年1月の『週刊文春』(文藝春秋)の報道で発覚。“優しいイクメン”という評価だった東出の好感度は地に落ち、唐田についても“女の敵”と大バッシングを受けてしまいました。この不倫騒動は、当時大々的に報じられていたため、『寝ても覚めても』の件も多く取り上げられてしまったんです」(女性誌記者)

 濱口監督は国際的にも高く評価されていて、19年に外国語映画として初のアカデミー作品賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』が大ヒットした韓国のポン・ジュノ監督(50)も、英国映画協会が発行する『サイト&サウンド』誌で、“ポン監督が選ぶ2020年代の新進監督20人”に選んでいる。

 ポン・ジュノ監督と濱口監督が昨年1月9日にWEBマガジン『HOUYHNHNM(フイナム)』で対談した際は、

「私が好きな黒沢清監督や是枝裕和監督、そして濱口監督は、映画の外的なスケールや技術的な体力よりも、心の、感情のスペクタクル、繊細で執拗な心のスケールの強さというものを、依然として維持されていると思うのです。そしてこれが、今の日本映画の魅力である、と。

『寝ても覚めても』で驚いたのは、事件が激しく展開していくことはなく、とても落ち着いて、静かに流れていく男女のラブストーリーのように表面的には見えますけれども、その表面の下にある本当に大きな緊張感、巨大な不安感が伝わってくる、ということです。どうしてこんなことができるのか、その秘訣について伺いたいんです。ゆったりと遅く、落ち着いたテンポをなぜあれだけ維持できるのか。やはり、執拗な人にしかできないと思うんですよね(笑)」

 と、作品を細かく分析したうえで、手腕を高く評価していた。

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