その過程では生駒は「涙」を流しながら葛藤している姿がよく映し出されていたが、センターの交代とAKB48との兼任を経て、アイドルとして何より人間として大きく成長を見せてくれたのも彼女だった。

 生駒はセンターにいることについて『パピルス 2015年08月号』(幻冬舎)で「わたしにとってのセンターは怖い場所でした」と回顧しているが、大園もまた「逃げ水」でセンターに抜擢された際に「私は、全部が怖かったです。同期の目、先輩方の目、そしてファンの方の目も」(『BRODY 2021年2月号』)と同様の趣旨の発言を残しており、生駒と大園にはセンターに対して共通の認識をしていた。しかし、センターを経て4期生という後輩メンバーも加入し、場数を多く踏んだことで心にも余裕が出てきた現在では、インタビューでの発言やパフォーマンスからは昔のような弱さは微塵も感じさせない。

 『乃木坂46 9th YEAR BIRTHDAY LIVE ~3期生ライブ~』で彼女の「3期生、行くぞ〜!」の力強い掛け声とセンターとしてのパフォーマンスは間違いなく乃木坂46のセンター経験者としての自信と覚悟が表れていたように思う。「アイドル」と「本当の自分」との間で揺れ動いていたその不安定さが大園のこれまでの魅力を形成していたのならば、バスラにおけるパフォーマンスには大園の成長譚としての集大成が感じられるものだった。

(文=川崎龍也)

アイドルセンター論

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