■格闘界で語り継がれる「伝説の必殺技」誕生の瞬間
小川直也 プロレス【スペース・トルネード・オガワ】小川が柔道からプロレスに転向した際に開発。柔道の大外刈りを基にラリアットを融合させた技で、相手の後頭部や背中をマットに叩きつける。
長州力 プロレス【リキ・ラリアット】スタン・ハンセンのラリアットをヒントに、ロープの反動を利用したラリアットを考案。藤波辰巳との抗争を通して、フィニッシュ・ホールドに確立させた。
辰吉丈一郎 ボクシング【レバーブロー】それまで地味な攻撃と見られていた左ボディを、辰吉が必殺技に昇華。WBCバンタム級王者のシリモンコンを、左ボディで倒し、ボクシングの定石を覆した。
薬師寺保栄 ボクシング【アッパー】王者VS暫定王者の統一戦で、“世紀の一戦”といわれた辰吉戦のため、トレーナーのマック・クリハラと考案。辰吉の顎を跳ね上げて猛攻を防ぎ、勝利を引き寄せた。
長谷川穂積 ボクシング【1秒間10連打】勝負時の詰めの鋭さに定評のある世界王者が得意としたのが、カウンターと高速連打。特に連打は1秒間に10発のパンチを放つなどマンガ顔負けの高速ラッシュ。
山下泰裕 柔道【開き直り】得意技は、柔道の技ではなく本人も言うように、ケガをモノともしない“開き直り”のメンタル。JOC会長として迎える難局も開き直りで乗り越えてほしい。
野村忠宏 柔道【背負い投げ】祖父から初めて習った技で、高校時代、体格差のある相手との勝負の中で磨かれていった。警戒されても投げ切る高い技術で、五輪3連覇の最大の武器となった。
千代の富士 大相撲【ウルフスペシャル】通算1045勝の大横綱を支えた左上手投げ。肩の脱臼癖を治すため、毎日500回の腕立て伏せ・ウェイトトレーニングを敢行。その努力が、強力な投げを生んだ。
北尾 大相撲【鯖折り】大関昇進を目指す関脇・小錦との取り直しで、北尾が鯖折りで勝利。決着時、両者の合計体重400キロが小錦の右膝を圧迫。小錦は骨折し、土俵から去る契機になった。
山崎照朝 空手【回し蹴り】極真史上、最高の破壊力と華麗さといわれた山崎の回し蹴りは、空手だけでなく、キックボクシングの世界でも威力を発揮。競技の枠を超えて通用する無敵の必殺技だ。