■東京五輪でもトラブル……『スッキリ』の制作体制はガタガタ

 8月26日の『スッキリ』では、この問題の検証を30分にわたって放送。

 差別表現がなぜ放送されてしまったのか、時系列に沿って説明。問題点として「コーナー担当者全員がアイヌ民族の歴史や差別に関する知識が乏しく直接的な差別表現であるという認識がなかった」「担当チーム以外への情報共有するシステムがなく第三者的視点でチェックする体制がなかった」と検証し、あらためてアイヌ民族や視聴者に謝罪した。

 また、BPOはこの問題について「隙だらけのチェック体制」「制作番組に対するこだわりの薄さ」「差別に関する知識の乏しさと放送人としての感度の低さ」「差別の意図はなかったとしても許されない表現」と指摘。

 MCの加藤浩次(52)は「非常に重い指摘だと思います。この4つの問題点で差別の意識がなかったとしても差別に当たると、スタッフ含め本当に反省しないといけないと思います。僕自身も北海道出身という立場にありながら、番組の中ですみやかに謝罪することができなかったことを、ここに深くお詫び申し上げたいと思います」と謝罪した。

「加藤さんも述べていますが、現場で訂正できなかったことも問題視されています。番組の制作体制が崩壊していると思われても仕方がありません。7月28日に行なわれた東京五輪の卓球・女子シングルス準々決勝で、試合中の伊藤美誠選手(20)が報道陣のライトの眩しさを指摘する場面がありましたが、これも『スッキリ』のクルーだったことが明らかになりました。

 こういったトラブルからも『スッキリ』の制作体制がガタガタなのではないか、と言われているんです。だからこそ、考えられないような差別表現がスルーされてしまったとも考えられると……」(前出の制作会社関係者)

 5月26日、日本テレビでは社員だけではなく制作会社なども含め、同局で働く全関係者にオンラインでアイヌに関する研修が行なわれたという。研修は北海道大学の講師による講義で、アイヌの歴史や文化などを学ぶ内容だったという。

「いかにこの件が大問題かというのは、会社のトップである会長と社長が謝罪したことからもうかがえます。ここまでの問題に発展したわけですから、番組の責任ある立場の人間を“切る”ということをしない限り、前には進めないのではないかという話にもなっているといいます。

 番組トップのプロデューサーはもちろんですが、『スッキリ』の顔である加藤さんが切られる可能性もにある。番組の顔を一新して、一からやり直しましょうということです。ただ、加藤さんがいてこその『スッキリ』ですから、彼を切るときは番組が終わるときでもあるでしょうね」(前同)

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