■清原和博や松坂大輔、イチローも

〈二軍時代は洗濯物は自分で持って帰ってました。ユニフォームはプライド。二軍選手と同じ洗濯機で回されたくなかった〉(清原和博

 その落合も惚れ込む逸材だった清原和博は、巨人からオリックスに移籍後の現役晩年、長い二軍暮らしを味わった際について、のちに、そう語っている。

「気持ちは分からないでもないけど、もしキヨが指導者の道まで見据えていたなら、頂点の景色を知る人間だからこそ、自ら底辺にも降りて行くべきだった。あんな事件を起こしたのも、結局はプライドの高さが邪魔をしたせい。そこがキヨの弱さであり、人間味でもあるんだけど」(同)

 その清原と対照的だったのが、今年10月19日の引退試合前の会見で〈ぜんぶさらけ出して見てもらおうと思った〉と自ら語った松坂大輔だろう。

「だから、あいつはきっと、いい指導者になるよ。彼の言葉で、〈夢って言葉、好きじゃないです。いろんなことは夢じゃなくて、目標ですから〉ってのがあるけど、あれもまさしく、その通り。目標をきちんと設定しないと、いつまでもアバウトなまま。オチさんも〈夢は見るもんで、かなえるもんじゃない〉って言ってたよ」(同)

〈努力せずに何かできるようになる人のことを、『天才』と言うのなら、僕はそうじゃない。努力した結果、何かができるようになる人のことを『天才』というのなら、僕はそうだと思う〉(イチロー

 その松坂の引退セレモニーに、サプライズ登場した、“名ゼリフ製造機”イチローの代名詞的なフレーズだ。

「きっと彼は常にイチローで、鈴木一朗に戻る瞬間なんてのは、本人の中でもないんじゃないかな。一軍に出始めた頃は、今とは違いプレースタイルも普通だった。どういう姿がイチローらしいかというのを、仕草一つに至るまで突き詰めていった結果が、今の彼なんだと思うよね」(同)

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