就寝中の大イビキには要注意

眞田院長によると、40歳以上であれば、日常のささいなことにも脳卒中のサインが隠れているという。
「40~60歳の人は、脳卒中の前兆として極端な筋力低下が起こります。たとえば、コップを落とす、箸がうまく使えない、スリッパを履こうと思っても、なかなか履けないなどです」
パソコンや携帯電話の使用時に打ちたい字を入力できなくなるケースも、これらと同じ兆候だそうだ。

このほかにも、まだまだ前兆はある。
「立った状態で靴下を履けるか試してみてください。体がやたらとよろけて、履けなければ危険。脳卒中の初期には、バランスがうまく取れなくなることがありますから」(眞田院長)

また、頭や意識がボーッとするのも重大なサイン。
「トイレの便座に座っていて、立とうとした瞬間や、風呂場の浴槽の縁に腰をかけているときなどに、頭がボーッとなると危険。当院の患者さんでも、銭湯に行った際、頭がボーッとして、そのまま浴槽に突っ込んでしまった人がいました。幸い、近くにいた方に助けられて大事には至りませんでしたが」(前同)

排便や入浴中だけでなく、赤信号が出されているのは就寝中も同じ。きっかけもなしに大きないびきをかくことも、脳卒中の前兆である場合があるそうだ。
「また、右と左の区別がつかなくなる左右失認や、スムーズに言葉を発せられなくなった場合にも注意が必要ですし、人や物に対して急に攻撃的になることもあります」(同)

むろん、このような異変であれば、周囲の誰かが気づく可能性は高いが、
「年齢に関係なく、しかもほかの体調不良と勘違いしやすい前兆があります。それが、目まいや耳鳴り。通常は脳卒中と無関係と思われて、別の診療科に行きがちですが、気をつけていただきたいですね」(同)

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