■櫻井は「日常の光景」、松本は「特別なイベント」という立ち位置

 櫻井のレポートはこんな内容だった。

《決めました。明日の『NEWS ZERO』の出演は辞退しよう。僕なんかがコメントする時間があるのなら、その時間を被害状況、最新情報をお伝えするために充てていただこう。そう決めた数分後、共演経験のある俳優の方から連絡があった。

「いつもテレビで見てる顔を見られたら、少しは安心できるから。あなたの顔を見られるだけで落ち着けるから。そういう人も少なくないと思うから。明日、絶対に生放送で顔見せてね」》(震災直後の出演を悩んでいた時期を振り返って。この手紙を受けて出演の覚悟を決める)

《「嵐の櫻井くん」だから話してくれる内容もあるということを「ある意味僕はズルい」「テレビでよく見る人(櫻井)に自分の思いを知ってもらいたい、と思わせるような『装置』を無意識のうちに使っている」》(実際に被災地で取材をしてみて)

「松本が震災当時に“自分たちは衣食住にはまったく必要ないもの”と痛感したのと似ていますが、櫻井は自分を“テレビで見れる『日常』の象徴”として、松本は“ふだんと違う感覚になれる要素”として認識しているところに違いを感じました。

 これは櫻井がキャスター業やバラエティ番組といった日常的な要素の番組を扱っているのに対して、松本は役者業やライブ演出など“特別なイベント”がメインの活動だったのも関係していると思われます」(前出の専門誌記者)

 松本といえば、嵐のコンサート演出を担当していたが、活動休止後も21年末に『Johnny’S Festival~Thank you 2021 Hello 2022~(ジャニフェス)』の総合演出を担当している。

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