かたや、「盤上の勝負師」。こなた、「棋界の求道者」。巨大な才能同士が激突したら、軍配はどちらに上がる!?
将棋界に現れた天才的革命児・藤井聡太九段(19)が、また一つ、記録を塗り替えた。第71期王将戦七番勝負で、2月12日に渡辺明王将を相手に4連勝を挙げ、タイトルを獲得。これで竜王、王位、叡王、棋聖に加えて王将を保持することになり、「史上最年少五冠」に輝いたのだ。
「これまでの最年少記録は羽生善治九段の持つ22歳10か月でした。藤井さんは、その記録を大きく上回る19歳6か月での達成なうえ、史上初の“10代五冠”を成し遂げたんです。これは将棋の歴史に残る大偉業です」(全国紙文化部記者)
また、王将戦の内容も圧巻だったという。
「今回は、将棋界の8大タイトルのうち、7つを占めている藤井四冠と渡辺三冠が戦った頂上決戦でしたが、終わってみれば、スコアは藤井さんのストレート勝ちでした。藤井さんは名実ともに、将棋界のトップに立ったと言えるのではないでしょうか」(前同)
向かうところ敵なしの藤井五冠だが、実は将棋ファンの間で、ある議論が交わされているという。
それは、「藤井五冠と、全盛期の羽生九段が戦ったら、どちらが勝つのか」というものだ。
「将棋界で唯一の“永世七冠”保持者で、タイトル獲得合計歴代1位の羽生さんは、いわば史上最強の棋士。そんな羽生さんが、1996年にタイトルを総なめにして七冠を達成したときと、現役最強の呼び声高い藤井五冠が対戦したら、どちらが強いのか。気になります」(将棋雑誌記者)
そこで今回、平成の天才・羽生九段の全盛期と、令和の天才・藤井五冠の強さを徹底分析。プロ棋士をはじめ、棋界の識者4人の声とともに、その夢の対決の結果を完全予想してみた。