■「己との闘い」について

―岩岡さんに質問です。レースの世界にも、そういった駆け引きはありますか?

岩岡「ドライバー同士で路面とかタイムがどうだったとか話すんですけど、本当かどうかはわからないですよね。

(レースには)タイヤの空気圧とかがすごく重要だったりするんでけど、“どれくらいで行ってる?”とか言わない人と言ってくれる人といて。言ってくれても、それが本当かどうかわからないし。基本、信じちゃダメですね(笑)それもかけひきです」

―あまり信じてはいけない?

岩岡「自分たちでテストしてきたデータだったり、当日の気温や路面だったりコンディションだったりでどれがいいのか判断していくのと、ちょっと参考にしたりはしますけど、その辺で全部が全部本当なわけではないので……なので、ちょっと(ミノワマンと)似てるかなって。

 ただ、レーサーは特に悪口を言い合ったりとか、そういうパフォーマンスはなくて、それぞれがそれぞれの世界に入っていく感じだったりするので……」

―よく「己との闘い」みたいなフレーズがありますが、レース中に「自分」と「相手」のどちらと戦いますか?

岩岡「レース中は、いままで相手のことを意識しすぎたりとか、“負けたくない!”みたいなのが強く出すぎちゃって、後ろとか気にしちゃってタイムが遅くなって負けちゃったりとか。

 逆に、変な順位で争いすぎて前が逃げちゃって、もっとイケるレースを逃しちゃったりすることがあったので、いまメンタルトレーニングをして、自分との戦いに集中できるようにスイッチしてもらっています」

ミノワマン

1976年1月12日 生まれ

 97年にパンクラス入団。常軌を逸したファイトスタイルが人気を博し、菊田早苗、佐々木有生らと激闘を展開。また、闘いの場をDEEPにも求め、ヒカルド・リボーリオや田村潔司らとも名勝負を演じた。主戦場をPRIDEに移すと、ステファン・レコ、フィル・バローニなどといった強豪から勝利。

 07年8月よりHERO’Sに参戦し、ヒクソン・グレイシーの愛弟子、ケビン・ケーシーからKO勝ちを収める。無差別級での対戦を信条とし、バタービーンやズールといった巨漢ファイターとも真っ向勝負を展開。DREAM参戦後もイ・グォンボム、エロール・ジマーマンといったヘビー級戦士から勝利を収め、09年に行われたスーパーハルクトーナメントではボブ・サップ、チェ・ホンマン、ソクジュをすべて一本・KOで倒して見事優勝を果たした。

 得意の足関節技に、驚異的な力を秘める“火事場のクソ力”を武器にその後もDREAM、DEEP、GLADIATOR、ROAD FC、RIZNなどにも参戦している。

 現在は復活にかけて、新しいミノワマンを建設中。

 岩岡万梨恵

1993年3月5日 生まれ ライセンス区分 国際B

 普段は、おっとりしていていますが、いざ車に乗ると豹変!

 レース中は後ろに付いたら離さない。ライオンが狩をするがごとく、闘志むき出しのレースが信条。

 器械体操の先生で特技はバク転、バク宙。いつかレースで優勝して表彰台でバク転をしたい!という夢も。

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