舞台上の空気を一変させる“力”を持つギャグは、口にすると元気100倍!逸話とともに笑いの歴史を振り返る!
■日本に活力を与えたハナ肇とクレイジーキャッツ
一撃で場を盛り上げ、人々を笑顔にする、お笑い芸人の“ギャグ”。
「歌は世につれ、世は歌につれ」などという言葉もあるが、ギャグも、まさに常に人々に求められ、時代とともに移り変わっていくもの。今回は、そんな爆笑の思い出を振り返っていこう。まずは、ハナ肇とクレイジーキャッツ。1955年の結成後、ジャズ喫茶での音楽ギャグで人気を博し、音楽バラエティ『シャボン玉ホリデー』(日本テレビ系)などへの出演をきっかけに、国民的人気グループとなった。
芸能史に詳しい放送作家の松田健次氏は、こう語る。
「まだ敗戦の影が残る時代に、明るいお笑いギャグで日本に活力を与えた存在でした」
伝説的なギャグとなったのは、植木等の「お呼びでない? こりゃまた失礼いたしました!」だった。
「出番を間違えて出てきた植木が、咄嗟に放ったアドリブが大ウケ。以来、定番ギャグとなりました」(スポーツ紙演芸担当記者)
●麻雀から生まれたギャグ
メンバーの谷啓にも「ガチョーン」がある。
「趣味の麻雀の中から生まれたギャグで、谷が牌をツモるときに発する声が起源とのことです」(前同)
CM前のオチなどに使われたが、前出の松田氏は「その一瞬の間が絶妙」と語る。続けて、「谷さんは、実力のあるトロンボーン奏者で、見る人、聞く人を引きつける間やリズムというのを、よくご存じだったんでしょう」