■昭和の爆笑王、林家三平

 同時代には、初代・林家三平も“昭和の爆笑王”として大人気だった。

「ギャグと愛嬌のある仕草で畳み掛ける爆笑落語で大人気になりました。“こうやったら笑ってください”と言って、ゲンコツを額に当てるだけでドッと沸き、その後の“どうもすいません”で、さらに大爆笑ですから」(前出の記者)

 高座を掛け持ちしながら、テレビやラジオの仕事を一日十数本こなす日々で、正月三が日だけで108本の番組に出演したという。

「生放送の番組で時間があまってしまい、カメラに向かって思わず言ったのが“どうもすいません”だったそうです。三平の父、七代目・林家正蔵が使っていた“どうもすみませんです”が元になっているともいわれていますね」(前同)

■萩本欽一と坂上二郎が絶妙「コント55号」

 そして、70年代には、萩本欽一・坂上二郎のコント55号とザ・ドリフターズが、数々のギャグを生み出した。

 コント55号は、萩本の「なんでそうなるの!」と、坂上の「飛びます! 飛びます!」が大ヒット。

「55号のコントは、一般市民役の坂上が、萩本ふんするおかしな人物に振り回されるパターンでした。アドリブだらけの萩本と、それに狼狽する坂上の姿が、なんとも面白かった」(同)

 追い詰められて発せられる坂上のボケ。そんな中で生まれたのが“なんでそうなるの!”だった。

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