■ユニクロは秋冬の定番衣料を
食品以外にも値上げが相次ぐ。衣料品は、コロナ禍でテレワークが普及したため需要が低迷。値上げは難しいと思われていたが、
「ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、4月の決算説明会で“安易な値上げはできないが、考えに考えぬいたプライスであれば理解してもらえる”と発言しており、実際、6月7日にユニクロは、秋冬の定番衣料の値上げを発表しました」(前同)
たとえば、フリースは1990円から2990円に、「ヒートテック(極暖)」は1500円から1990円に値上がりする。
「東南アジアなどの現地工場で人件費が高騰し、コットンの値上がりもあって、生産コストが上がっているためです」(杉村氏)
■自転車や電車も
一方、コロナ禍で人気の高まった自転車にも値上げが迫る。通勤ラッシュを避けたり、高騰したガソリンの節約に使われたりと、庶民の足として活躍したが、「6月からブリヂストンサイクルは、一般自転車を8000~1万3000円、電動自転車を2万2000円ほど、大幅に値上げしました。原材料となるアルミ価格の高騰が直撃したようです」(前出の業界紙記者)
自転車と並ぶ庶民の足が電車だが、こちらも来春以降、値上げが決まっている。
「JR東日本は、来年3月から、山手線など首都圏の一部区間の運賃を一律10円上げて、東京メトロや他社も値上げします。エレベーターなどバリアフリー設備の整備に当てるという名目ですが、テレワークの普及などで大幅に減った運賃収入を補う面も、否定できません」(鉄道ジャーナリスト)
間近に迫った夏の甲子園の観戦チケットも、4年ぶりに値上げ。たとえば、
「中央指定席」は2800円から4200円になる。
「主催者の日本高校野球連盟は、入れ替えなしの全席指定にするため、来場者の大幅減を予想。一方で増加する暑さや感染症対策の費用をまかなうために、値上げすると説明しています。
ただ、庶民のささやかな楽しみが奪われるとの声も」(スポーツ紙記者)
夏といえば、お盆に縁のあるものにも値上げが迫っている。
「先月、母の法要で、卒塔婆を購入しました。5本で2万円だったんですが、お坊さんには“夏には価格が倍になるかもしれませんね”と言われました」(60代男性)
実は、卒塔婆用の木材のほぼ半分はウクライナからの輸入品。ウクライナ情勢が、思いがけず影響していたのだ。