■近藤健介や柳田悠岐も!

 続いて、野手陣。本誌としては、大リーグ屈指の強打者である大谷をリードオフマンとする超攻撃型打線を推したい。

 13年の第3回大会で戦略コーチを務めた現BC・新潟監督の橋上秀樹氏が、短期決戦ゆえの“打”の難しさを、こう指摘する。

「初対戦の投手から、いきなり長打を打つなんて芸当は、どんな選手でも難しい。空中戦のような大味な試合は実際、ほとんどないですしね。なので、重視するなら、長打力より確実性。私が参加した第3回大会で言えば、井端弘和鳥谷敬のような対応力があって軽打もできるタイプが、実は最も生きる環境ではあるんです。決勝の舞台となるローンデポ・パークは、投手有利の球場としても有名ですしね」

 となれば、大谷や“三冠王”村上宗隆(22=ヤクルト)といったチームの“顔”はもちろん、脇を固める存在の働きも肝心となる。

 日本一に輝いた吉田正尚(29=オリックス)は大リーグ挑戦が濃厚なため、WBCへの参加が不透明だが、同じく高い出塁率が見込める近藤健介(29=日本ハム)や、柳田悠岐(34=ソフトバンク)あたりは、確実に代表入りするだろう。

「加えてベンチに置くとすれば、代打よりも小技のスペシャリスト。向こうはクイック(モーション)が苦手な投手も多いですから、ここぞの場面ではバントや盗塁が重要な意味を持つ。“例のダブルスチール”も、二塁走者の井端に代走を送っていれば、結果は違ったかもしれませんしね」(前同)

 橋上氏が“例の”と語るのは、第3回大会の準決勝プエルトリコ戦での一幕だ。2点ビハインドの8回裏。一死一、二塁から一塁走者の内川聖一が飛び出して、重盗に失敗したシーンだ。

「あそこは“走れる”というデータ的な裏づけも当然あったんですが、あのとき二塁走者だった井端はそこまで足に自信がなく、本人いわく“若干躊躇した”と。本来であれば、仕掛ける前に代走を出せたらよかったんだけどね」(前同)

 “足”も重要となる国際大会だが、第3回大会では、両リーグの盗塁王だった大島洋平と聖澤諒の2人が最終選考から外れていた。

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