■みそカレー牛乳ラーメンはつい飲み干したくなるおいしさ

 第9位には「みそカレー牛乳ラーメン」(青森県)が選ばれた。ご当地ラーメンにも精通する、B級グルメライターの田沢竜次氏が、その魅力を語る。

「いかにもB級っぽい名前ですが、深い味わいのラーメンです。特に、みそのコクとカレーのスパイス、牛乳のまろやかさを絶妙に融合させたスープは、つい飲み干したくなるおいしさ。青森県内には、元祖の『味の札幌 大西』(青森市)をはじめ、多くの店で提供されています。他県ではなかなか味わえないので、訪れた際は、ぜひ」

■『マツコの知らない世界』で話題に

 しょうゆ、みそに続き、人気ジャンルのトンコツがランクイン。第8位は「宇部ラーメン」(山口県)だ。

「トンコツといえば九州」という気もするが、宇部ラーメンは、知名度が急上昇中の注目株だという。

「21年3月放送の『マツコの知らない世界』(TBS系)の、ご当地ラーメン特集で取り上げられて話題に。同年11月には、将棋の藤井聡太五冠が、第34期竜王戦で宇部市に滞在中に食べたことが、全国ニュースになりました」(前出のグルメライター)

 特徴は、“くさうま”と評される超濃厚スープだ。

「かつて炭鉱で栄えた宇部の食堂で、『久留米ラーメン』を独自に進化させて誕生した味だとか。塩気のきいた脂タップリの、独特の匂いがする茶濁色のトンコツスープが、中太麺にガッツリと絡みます。どこか、背徳感のある食べ心地です」(前同)

■お茶の産地で根づいた麺

 同じく、地元の人々の生活に合わせて進化したのが、第7位の「志太系ラーメン」(静岡県)だ。以下は、同県在住の読者からの投稿だ。

〈明治期からお茶の産地として栄え、玉露の三大名産地の一つに数えられる旧志太郡(現・藤枝市)は、早朝から働く人が多く、仕事帰りに朝、ラーメンを食べる文化が根づきました。あっさり味の中華そばを出す店が多く、それを“温・冷”の2杯セットで食べるのが流儀。朝の静けさの中、仕事帰りの男たちの麺をすする音が、店内に鳴り響く。それが、私の原風景ですね〉

 この2杯セットの文化を作った老舗『マルナカ』(藤枝市)は、今も健在。朝8時半から多くの客が訪れる人気店だ。

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