■いよいよトップ3!九州トンコツ系の源流
さて、いよいよトップ3の発表だ。第3位は「久留米ラーメン」(福岡県)に決定。全国で一大ブームを巻き起こした、「九州トンコツ系」の源流である。
「トンコツの風味が際立つ、野趣あふれるスープが特徴。他県でも受け入れやすいようにマイルドになったトンコツに慣れた人は、味の濃さに衝撃を受けると思います。けど、それがクセになる!」(前同)
『博多一風堂』『一蘭』などチェーン店の全国展開で、今やどこでも味わえる定番となった九州トンコツ系。最近は、定番へのアレンジが流行中だとか。
「トンコツラーメン店が飽和状態になった福岡県などでは、スープにアレンジを加え、違いを出すのが主流です。最近は、マー油やニンニクを加えた、『熊本ラーメン系』が注目されています」(遠藤氏)
■ラーメン王国・山形の逸品
第2位は「鶴岡しょうゆラーメン」(山形県)。新潟市と山形市のライバル関係は、前述の通り。ただ、ラーメン王国の山形には、もともと県内に数多くのご当地麺がある。
「その代表格が、国内屈指の有名店『琴平荘』(鶴岡市)をはじめとする、鶴岡しょうゆ系です。元が旅館だった琴平荘は、宿泊客の少ない冬場に、大広間で中華そばの提供を始めました。毎年10月〜翌年5月の限定営業なので、これからの時期が狙い目ですよ」(前同)
鶴岡しょうゆ系のスープは、全国のラーメンでもトップクラスの、さっぱりした味わいだ。田沢氏は、こう分析する。
「山形の名物に冷やしラーメンがあり、そのスープは、冷えると固まる動物性の脂を使わず、しょうゆとだしの風味が軸です。そんな透明感のあるスープに慣れ親しんだ県民の舌が、鶴岡しょうゆの、あっさりしたスープを育てたのでは」