■MVPはジャッジが圧勝も

 ところで、注目されたMVP争いは、結果的に全体の9割強から1位票を集めてジャッジが圧勝。大谷は次点に甘んじた。

 去年にも勝るとも劣らない好成績にもかかわらず、ここまでの大差がついたのは、なぜか。

「満票で選ばれた去年も同様にエンゼルスは弱かったですが、基本的にMVPは地区優勝、プレーオフ進出をしたチームから選ばれる傾向が強い。しかも、ジャッジは“本場”東海岸でも最も野球熱の高いヤンキースの選手ですからね。去年のライバルだったゲレーロJr.は、カナダ・トロントを本拠とするブルージェイズ所属ですから、注目度の面から言っても段違いだったのは間違いないでしょう」(同)

 だとすれば、来季の大谷が再びMVPを獲るためには、あと何が必要か。

■優勝を狙うチームに大改造!

「エンゼルスにおいて、この2年で規定投球回をクリアした投手は、今季の大谷だけ。チーム自体が最低でも、プレーオフ争いに絡む戦いをしないことには、やはり厳しいでしょう。ただ、さすがのエンゼルスも、ドジャースからFAの左腕タイラー・アンダーソンを3年総額3900万ドル(約54億6000万円)で獲得するなど、補強には積極的。来季から極端な守備シフトが禁止になるのも、先発陣に左腕が豊富なエンゼルスには有利に働く可能性があります」(同)

 その他、ツインズから内野手のジオ・ウルシェラ、ブルワーズからは外野手のハンター・レンフローをトレードで、それぞれ獲得。

 懸案の守護神候補には、フィリーズからFAのクリス・デベンスキーが加入するなど、来季に向けた戦力は着々と整いつつある。

「ウルシェラとレンフローは大谷と同様、来季オフでFAとなる選手。勝てないと全員が流出するリスクもありますから、エンゼルスにとっても、来季がまさに正念場ですよ」(同)

 慣れ親しんだロサンゼルスでの集大成とも言うべき6年目の大谷が、どんな活躍を見せるのか。来季も投打にわたる“ショウタイム”から目が離せない。

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