■食事の順番にまで気を遣い…
プロ1年目、13年6月18日の広島戦で早くも実現した“リアル二刀流”は、周囲の声に惑わされず、大谷自身が積み重ねた、たゆまぬ努力の賜物でもあった。
「たとえば食事一つを取っても飲み食いの順番にまで気を遣っていたり、彼には自分で考えてそれを実行に移せる賢さと強さがあった。僕らに対して何か説明があったわけではないですが、脇目も振らず当たり前のように投打両方をこなしている彼の姿を見たら、異論なんて出てこない。そもそも当時の僕らは、一つのポジションをつかむだけでも毎日、必死でしたし」(前同)
15年には、最多勝、最優秀防御率の投手二冠に、最高勝率も獲得し、早くもトップ選手入りを果たす。
■日本一に輝きパ・リーグMVPを獲得
日本一に輝いた16年には、打者で打率3割2分2厘、22本塁打、67打点。投手としても3年連続の2ケタ勝利で、自身初のパ・リーグMVPを獲得した。
10月16日、ソフトバンクとのCSファイナル第5戦では、DH解除で9回のマウンドに上がり、現在も日本最速の165キロを連発して、試合を締めた。
「もともと僕らとはモノが違うんですけど、そこから、さらに高みに上っていけるのが、彼のすごさ。当初は“速いけど、なんとかバットには当てられる”くらいだったストレートも、目に見えて年々、進化した。165キロはいつか出すと思っていたけど、あそこまでの連発は正直、理解が追いつかなかったです(笑)」(同)
15年オフに渡米し、憧れのダルビッシュ有宅を訪問。筋トレや食事、サプリなどの“ダル流指南”を受け、肉体改造にも着手している。