■肉体改造、技術的な部分…試行錯誤の結晶
「手術しても元通りになる保障はないリハビリ期間は、当然、不安もあったはず。でも、彼はそこでも、どうするのがベストかを模索しながら、肉体改造に打ち込み、技術的な部分でも引き出しを増やし続けました」
二刀流の成功も、そうした試行錯誤の結晶だという。
「試合によって組み立てをガラッと変えるのも、100球という制限の中で、いいボールからどんどん使うことで、より長いイニングを投げるための彼なりの工夫。打撃フォームをノーステップに変えてパワーを追い求めたのも、よりケガをしにくい体で二刀流を続けるために導き出した、一つの答えでしょうね」(前同)
■オールスター3年連続出場
今や、メジャーを代表する選手となった大谷。今季オールスター戦のファン投票では、2位に50万票以上の大差をつけるア・リーグ最多得票で、3年連続となる出場を決めた。
「大谷には、投げては奪三振、打っては本塁打と、野球を知らない人にも、そのすごさが一目で分かる明快さがある。もはやアメリカ人にとっても、彼はヒーロー。万人の心を動かすという部分でも、彼こそが史上最高のスター選手と言ってもけっして言いすぎではないんです」(前出の福島氏)
■WBCでもMVP
その証拠に、大谷がMVPを獲得した今年3月の第5回WBCは、現地アメリカでも大きな盛り上がりを見せた。とりわけ、大谷がリリーフ登板したアメリカとの決勝戦で、最後に“盟友”マイク・トラウトを三振に斬っての雄叫びは、大会屈指の名場面となった。
「今大会はアメリカ国内でも過去最高の観客動員&視聴率を記録した。トラウトとの直接対決は、かの地でも“史上最高の名勝負”と、もっぱら。大会の地位向上に、大谷の活躍が大きく寄与したのは間違いない。その意味で、大会を主催するMLBにとっても、大谷はなくてはならない存在だったと言えますね」(前同)