■リスクが一番低い睡眠時間

 また、年を取ってから、つい早起きしてしまう、若い頃と比べて長く寝られなくなったと不安を覚える人も、いるかもしれない。

 だが、岡田氏によると、睡眠時間は6時間で十分だという。

「心筋梗塞や脳梗塞などの原因となる動脈硬化と睡眠時間の関係について、調べたことがあるんです。そのリスクが一番低かったのが6時間ほどの睡眠で、9時間以上の寝過ぎはリスクを高めていました。また、休日に寝だめするのも、よくありません」(岡田氏)

■エアコンの切タイマーはNG

 短時間でも、質のよい睡眠を取ることが、健康長寿につながるようだ。そのためには、寝室の環境に気を配りたい。

「中高年ほど節約意識が強いのか、“もう夏も終わりだから、エアコンを使わずにすませよう”とか、“一度眠ってしまったら平気だから、タイマーをかけて夜中にエアコンを切ろう”という声を、よく聞きます」(秋津氏)

 しかし、これでは寝苦しくなって睡眠が浅くなり、結局、体を壊してしまう。

「私は、暑いときは健康のためと割り切って、一晩中、エアコンをつけて寝るようにしています。本当は、体力が低下する中高年ほど、エアコンが必要なんです」(前同)

■下半身の元気も

 最後になるが、生涯現役のためには、下半身の元気も欠かせない。

 病院でED外来を併設している林氏によると、ポイントは、血流を良くすることだという。

「たとえば、血液をサラサラにする納豆やオクラなどを食べるのが一つの手ですが、急にたくさん食べたからといって、すぐに効果が出るわけではありません」(林氏)

 他にも、定期的に運動することで中性脂肪を減らしたり、血圧や血糖値を下げることで、血流を改善する方法もあるが、いずれも持続することが重要だ。

「はっきり言えるのは、タバコをやめること。喫煙は確実に血流を悪化させます」(前同)

 今回紹介した、名医が実践している生活習慣は、明日からできる簡単なものばかり。ぜひ、お試しあれ!

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