■陸奥湾名産のツブ貝がポイント
第3位は、『青森風おでん』。
「青森市周辺では、ショウガみそのタレをつけて食べるのが一般的。この食べ方は、戦後、冬の青函連絡船に乗るお客さんの体を温めてあげようと、屋台のおかみさんが出したのが始まりと言われています。スープは、陸奥湾名産のツブ貝のだしがきいていて、ホッとする味です」(椿氏)
身も心も温まる、冬にピッタリのおでんだ。
「ちなみに、青森風おでんとは別に、春に弘前城公園で開催される、『弘前さくらまつり』でしか食べられない、黒こんにゃくという名物おでんもあります。炭のように真っ黒で、まさに珍味です。ぜひ」(前同)
■名物“ぼたん焼きちくわ”発祥の町
第2位は、宮城県の『石巻おでん』が入った。
「石巻市は水産資源に恵まれていて、練り物作りが盛んな町。名物の“ぼたん焼きちくわ”の発祥の町としても知られています。
そんな石巻ですが、2011年の東日本大震災の津波で被災。大きなダメージを受けましたが、復興への取り組みとして、地域が一体となり、地元資源を活用した“石巻おでん”を開発したんです」(柳生氏)
そうした背景もあり、レトルトパックおでんの全国発送にも力を入れているという。自宅でも手軽に石巻おでんを味わえるのだ。
「練り物の味はもちろん、地元、金華山沖の海域で水揚げされた高級魚・金華サバを使用した特製のスープが絶品です。もちろん、ぼたん焼きちくわや、金華さばの身を使った揚げ蒲鉾“鯖天”なども入っていますので、ぜひ、味わってみてください」(前同)