■「バント高田」事件

 ミスターの“自由奔放”ぶりは、ユニフォームを着たグラウンドの中でも。監督時代、バントの構えのまま、代打・高田繁の名前を告げた「バント高田」事件は、今も色あせないミスター伝説の定番だ。

■サイン無視で高額な罰金

「現役当時も、サインの見落としなど、うっかりの常習犯。“待て”のサインもお構いなしに快音を響かせることが、よくあった。

 当時の巨人でサイン無視は“罰金刑”。絶好球が来ると、つい打っちゃう長嶋さんは、たびたび高額の罰金を払ったと聞いています」(前出のジャーナリスト)

■「歌舞伎の動きを参考にした」華麗な守備

 また、本人いわく「歌舞伎の動きを参考にした」という独特で華麗な動きの守備でも、三遊間を組んだ名手・広岡達朗氏が「シゲは俺の所にまで捕りに来よって」とボヤくほどの奔放さ。そんな、悪気なく“おいしいとこ取り”をしてしまうミスターと職人気質の広岡氏の間には、“不仲説”もまことしやかに囁かれた。

■広岡達朗と不仲の真相

 当の広岡氏に「事の真相を確かめたことがある」と、せんだ氏が明かす。

「ご本人は“全然そんなことはない。むしろ助かっていた”と笑ってらっしゃいましたね。“逆に一度だけ、シゲのほうから頼んできたことがある”とも。

 なんでも前日飲み過ぎて足が動かないからと、“今日はサードゴロもよろしくお願いします”と言ったとか(笑)」

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