■関係者が口をそろえる“勝利への執念”

 多くの長嶋伝説があるが、関係者が口をそろえるのが、ミスターの“勝利への執念”だ。せんだ氏は、そんな“勝負師”の一面をゴルフ場で目撃している。

「午前中のラウンドが終わって僕らがレストランに行くと、なぜか長嶋さんだけ、その場にいない。どこに行ったのかと探したら、食事もそっちのけで一人で、ずっと練習してたんです。実際、ゴルフもお上手。スコアもコンスタントに70代後半とかでしたしね」

 ミスターは人を楽しませるだけでない。もちろん、勝負に勝ってきたのだ。

「松井秀喜臨時コーチは“ジャイアンツが創設したときからDNAみたいなものは変わらない。常に強くあれということですから、勝たなくてはいけない”と語っていましたが、これは長嶋さんが繰り返し選手に言っていたことと同じ。やっぱり、ミスターの精神性は巨人に浸透しているんです」(前出のデスク)

 ミスターと現在も親交があるせんだ氏によれば、「誌面に出ることは報告済み」。「掲載誌を持ってこい」とも言われたとか。

 本誌にとっても長嶋茂雄は、永久に不滅です!

■グラウンドの外でも!英雄・長嶋茂雄伝説

★長嶋と同じ2月20日が誕生日の著名人が、アントニオ猪木志村けん

★好きな歴史上の人物は二宮金次郎。好きが高じて上北沢の豪邸の庭には二宮金次郎の石像を建てた。一茂は小学生のとき、ベランダに水をためてニシキゴイを飼育していた。

★その豪邸を建てた際、巨人入団時にもらった契約金1800万円をおろそうとしたが、どの銀行に預金したか、忘れてしまった。

★上北沢から田園調布に引っ越し後、その豪邸は中曽根康弘元総理が借りて住んだ。総理の大家が長嶋。

★「好きな四文字熟語を書いてください」と渡された色紙にスラスラと「長嶋茂雄」。

★親しい新聞記者に子供の命名を頼まれ、「茂雄」の名を提案した。

★ホテルでチェックインする際、職業欄に「長嶋茂雄」と書く。

★郵便物は住所の欄に「大田区 長嶋茂雄」と書くだけで届く。

★飛行機の中でうっかり喫煙。客室乗務員から「No Smoking!」と注意されると、慌てて自分の腕にタバコを押し付けて消した。

★目の色が、とてもきれい。篠塚和典いわく「緑」、定岡正二いわく「茶色」。

★みんなで食べるために大皿に盛られたフグ刺しを、箸でガサッとまとめて一気に食べてしまう。

★みんなで食べるために、きれいに三角形に切られたスイカを、甘い頂点の部分だけ、すべて食べてしまう。

★試合中のベンチ内でも、よく食べていたのはバナナ。でも、一口食べたら捨ててしまう。

★サンドウィッチはハムだけを取って食べる。

金田正一いわく「よく雀卓を囲んだが、麻雀のルールを知らなかったんじゃないか。上がったのを見たことがない。負けても笑ってるから文句はないが」。

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