■タンパク質の摂取がカギ

 最後は、1日を締めくくる“夕食”。ここは、タンパク質の摂取がカギになる。

「日本人の食生活で、最も不足しているのがタンパク質です。私が診療している高齢者の多くは、血液中のタンパク濃度が低く、筋肉が衰えて、骨がもろくなっています。転倒時に骨折するリスクもあるので、そうならないために、日頃から魚や肉を食べましょう」(岡田氏)

 そこで岡田氏が薦めるのが、しゃぶしゃぶだ。ポイントは調理法にある。

「100度を超える高温調理だと、肉の成分が発がん性物質に変わります。また、炭火の焼肉、燻製ベーコンなどは煙に含まれるダイオキシンという発がん性物質が付くので控えたいところ。その点、しゃぶしゃぶは高温調理ではなく、煙もつかないので、健康的にタンパク質が取れます。たっぷりの野菜や豆腐と一緒に食べれば、栄養のバランスもよく、理想的な健康食です」

■魚は刺身で食べるのが理想

 遠藤、秋津の両氏は、タンパク質の補給として魚料理を“愛食”している。遠藤氏は海鮮丼だという。

「アジ、サバ、マグロ、カツオ、サンマなどの青魚には血管を健康にし、脳によいとされる栄養素のEPA ・DHAがたくさん含まれています。加熱調理をすると栄養素が壊れるので、新鮮な刺身の状態で食べるのが理想です」(遠藤氏)

■焼くより煮たほうがよい

 魚を刺身以外で食べるなら、焼きものより煮ものを食べるほうがよいという。

「魚の頭の部分はEPA・DHAが豊富で、特に、目玉や骨の周辺に栄養素が集まっています。その部分を余すことなく食べるには、焼きものより、煮ものが適しています」(秋津氏)

■蒸した里芋にも注目

 また、秋津氏の夕食例にある蒸した里芋(きぬかつぎ)にも注目したい。

「塩分を控えたい人は、素材そのものの味が生きて、薄味でもおいしく食べられる、蒸し料理がオススメです。加えて、イモ類は食物繊維が豊富で、腸内細菌のエサとなるオリゴ糖も含んでいるので、腸内環境の改善になります」(前同)

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