■世界一への道のり

 いばらの道とも言える世界一への道のりだが、データが示した“優勝”の可能性は、どうか。大南氏が、こう解説する。

「ポストシーズンへの進出可能性は、西地区トップの93・1%と、ほぼ確実な情勢です」

 ワールドシリーズ優勝の予測についても、期待できる数値が。

「ブレーブスが25・8%でトップ。それに15・5%のドジャースが続きます。ただ、プレーオフのような短期決戦は、予測などあってないようなもの。どちらに転んでも、なんら不思議はありません」(前同)

 ちなみに昨季、ブレーブスのチーム本塁打は歴代最多タイの307本。同長打率は、歴代新記録となる5割1厘に達している。先のアクーニャJr.や、54本塁打&139打点でリーグ二冠のマット・オルソン(29)ら、実に7選手が20本塁打以上というから、何をか言わんや、だ。

「そんな強打者たちから由伸が三振を奪い、その直後に大谷が豪快な一発を見舞う。そんな侍戦士が“主演”となるドラマを期待せずにはいられない。今季のドジャースはそれができるチームですしね」(前出の在米スポーツ紙記者)

 奇跡を可能にする男、大谷翔平の次なる“大偉業”から目が離せない。

■最大のライバル、ニューヨーク・メッツのピート・アロンソ秘められた実力

 ナ・リーグ最強のホームランバッターといえばピート・アロンソの他にいない。メジャー在籍5年間で放ったホームランの数は、実に192本。ルーキーイヤーの2019年にシーズン53本塁打を放ち、新人王とホームラン王の二冠を達成するなど、生っ粋のホームランキングとして存在感を示している。

 昨年は46本塁打を記録しながらも、54本塁打を放ったマット・オルソン(ブレーブス)に敗れ、2位に終わったが、「オルソンよりも、大谷のライバルとなる存在はピート・アロンソ」(在米MLB担当記者)と言われている。

 そんな彼の特徴は、オールスターゲームのホームランダービーを連覇したことから分かるように、大舞台に強いところだ。

 新記録を出した本塁打数で勝るオルソンをしのぎ、打点王に輝いたことや、ソロホームランの少なさから、ここぞの場面に強いことが裏づけられる。

 チャンスでの打席が増えれば、大谷と猛烈なホームラン王争いをするだろう。

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