「レース傾向分析」 ― 競馬評論家 須田鷹雄
前走キーランドC組を信頼!短距離慣れRティサージュ◎


過去10年のスプリンターズSでは、前走で好走している馬の活躍が目立つ。前走4着以下からもローレルゲレイロなどの好走馬は出ているが、全体としては前走好走組が優勢だ。前走で大敗した馬の巻き返しがあるとしたら、すでに実力の裏付けが十分ある馬だ。

ただGⅠともなれば、前走好走馬は多く、絞りきれない。問題はどのレースから来た馬を重視するかだ。

そこで重要になるのが、新潟競馬場で実施されるという点。本レースは12年前も新潟連続開催の最後に行われ、その時は人気上位馬がそのまま好走する順当な結果だった。脚質的にも前に行った馬が強かった。

ただ、今年は当時に比べ、馬場が荒れているように見える。芝自体は改良が進み、タフな使われ方にも耐えられるはずなのだが、傷みが目立つ。騎手も秋開催の初めあたりから、どこを進めばよいか苦慮している印象。

本レースはAコースを3開催引っ張った最終週に行われるが、最終ステップレースのセントウルSは阪神の開幕週に行われた。新潟の馬場が荒れれば荒れるほど、検討の中心にする馬と、本番で適性を発揮できる馬の間にズレが生ずる。せっかく特殊な年だけに、この点を活かしたい。

状態が良く時計の出る馬場で走ってきたのがセントウルSや北九州記念組ならば、時計のかかるタフな競馬をしてきたのは、キーンランドCやCBC賞組。ここでは後者を狙いたい。

◎はローブティサージュ。スプリント戦初挑戦だった函館SSでは後方に置かれたが、それでも2着。キーンランドCでは道中の位置取りも進歩し、見事優勝。今回はさらに短距離への慣れが見込めるし、新潟のほうが差し脚を伸ばしやすい可能性もある。前走同馬の2着だった○レッドオーヴァルにも期待したい。

▲には函館SSでイン詰まりしたストレイトガールの巻き返しに期待したい。高松宮記念は特殊な馬場に泣かされたが、常識の範囲内の「荒れた馬場」ならば、この馬の地力が活きてくる。
 

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