「「中間調教報告」 ― 日刊ゲンダイ大阪記者 薮中泰人
坂路調教で自己ベストを更新ストレイトガール仕上げ抜群


岩田とストレイトガールが勝つ。前走の函館SSは能力の半分も出せなかった。4角3番手からインを狙ったが、完全に前が詰まり11着という結果に。その後、スプリンターズS一本に狙いを定めての仕上げだが、敗戦ショックどころか、中間の気配がすこぶるいい。放牧から帰厩して初時計が9月2日の坂路61秒0。4日に55秒9、10日に53秒7とトーンを上げ、2週前追い切りの18日は岩田騎乗で51秒8、上がり1F12秒1の素晴らしい動きを披露。これまでの坂路自己ベスト(52秒4)をも大幅に更新した。春とは違う攻め内容にも注目したい。コース追いから坂路に特化して瞬発力に磨きをかける調教。

これは藤原英厩舎が昨秋のトーセンラー(マイルCS)で成功させたパターンでもある。体もいい意味のふっくら感があるし、何よりも気持ちが前向きなのがいい。最終追い切りで上がりをシャープにまとめれば、最高の仕上げでレースに臨めるだろう。泥んこ馬場に泣いた春の高松宮記念、前走の雪辱を、ここで果たす。

取捨が難しいのがハクサンムーン。前走のセントウルSは春とは一変、張りのある素晴らしい体になっていたが、高松宮記念に続いてスタートで出負けした。外枠ですぐさま位置を上げられたが、これが内、中枠だとどうなっていたか。癖になっている感じもあり、外枠限定での狙いになる。

相手本線はレッドオーヴァル。スプリント路線に切り替えて素質が開花中。札幌から帰厩後、すぐ時計が出せたように今季は体調がいい。1週前追いでは坂路53秒0- 12秒5の素軽い動き。鋭い決め手が怖い。

あとローブティサージュにも連下の期待。春の覇者コパノリチャードは乗り込み不足で1週前追い切りはラスト13秒6もかかった。

それなら安田記念より仕上がりがいいグランプリボスセイコーライコウマヤノリュウジンが上位。
 

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