「厩舎&関係者取材」 ― 目黒貴子
ベテラン騎手が手放しに絶賛Sライコウ初GⅠ制覇に期待


昨年の勢力図は通用せず、抜けた存在がいないメンバー構成に加え、今年は左回りの新潟コース。秋第1弾から悩ましい一戦だ。しかし、その中で◎に推したいのは、世界のロードカナロアと互角に渡りあってきたハクサンムーン。ロード引退後のスプリント界を引っ張る存在であるべきだが、その後はさっぱり。だが、前走のセントウルSで復活の兆しを見せた。勝ったリトルゲルダが54キロで、こちらは57キロ。ハイペースで先行馬が失速する中、唯一の粘りで0.2秒差の2着。戸崎騎手も「休み明けの分で仕方ない。でも、すごく力を感じる馬」と本番への手応えをつかんでいた。

陣営も「春とは全然違う」と体調の良さをアピール。これまで逃げ一手だったが、2番手からの競馬で結果を出したことで幅が広がった。戸崎騎手が「行くつもりがなかったけど、馬が速くて」と言うように、逃げにこだわらない思い切りもプラスに作用する。

新潟ならこの馬、○セイコーライコウ。アイビスDを完勝。外枠有利と言われる中2番枠での圧勝で、柴田善騎手も「枠なんて関係ない。自信があった」と余裕の振り返り。直線競馬が得意なだけとの懸念の声もあるが、左回りの1200メートルの実績も。「今回はサマースプリントではなく、あくまでもスプリンターズSが目標」という鈴木助手の言葉も心強い。GⅠ初挑戦で、いきなり大仕事をやってのける可能性は高い。

▲はローブティサージュ

「短い距離にシフトチェンジしたのがよかった。行きたがる面が出てきたのでスプリントが合う」という北村助手の言葉どおりに今夏、結果を出してきた。函館SSの2着も「枠順の差」とし、力差ではないと強調する言葉を信じたい。

△には春の王者コパノリチャード、例年より涼しい気候がプラスになりそうなガルボ、一発もあるハナズゴール。そして長期間開催で馬場悪となれば、浮上するスノードラゴンまで。ただ、枠が大きく作用する馬もおり、ギリギリまでチェックが必要だ。
 

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5