今春、プロ野球開幕前、「優勝は巨人で決まり」というムード一色だったセ.リーグ。しかし、蓋を開けてみたら、しばらくリーグは大混戦。例年以上の面白いシーズンとなった。この大混セの立役者は誰か!? ニューヒーロー7人にスポットを当てる!

1 山田哲人(22歳)二塁手/ヤクルト
今季対巨人戦は本塁打6本打率も.333と大暴れ!

セ.リーグで打率.323は3位、打点77は4位、本塁打24本は3位(数字は9月16日現在=以下同)。
山田哲人は、間違いなく今年のセ.リーグを盛り上げた立役者の一人だ。
山田は2010年、高校通算31本塁打を放った強打者として、履正社高からドラフト1位でヤクルトに入団した。
翌11年は、公式戦での出場こそ叶わなかったが、大舞台でド派手なデビューを果たす。中日とのクライマックスシリーズ.ファイナルの第2戦に1番.遊撃手として先発出場。高卒新人野手のCS先発出場は、これが史上初だった。
この試合は無安打に終わったが、第3戦では四球で初出塁、初得点。第4戦では、2安打1得点を記録して、数々の「高卒新人のCS記録」を打ち立てた。
このとき、小川淳司監督が山田を抜擢したのは、彼自身が「僕を使ってください」と監督に直訴したからだという。「面白いヤツ」と、首脳陣に山田の名が強くインプットされた。

12年シーズンの出場は26試合にとどまったが、13年シーズン途中からレギュラーに定着し、主に二塁手として94試合に出場して.283の打率を残した。
この年の飛躍のきっかけは、シーズン途中でファームに落とされたことだろう。そこで杉村繁二軍打撃コーチの徹底指導を受け、打撃フォームを大改造。それまで、どちらかというとホームラン狙いの大味なタイプだった山田は、広角に打って打率を残す技術を身につける。
そして、勝負の今年。開幕から「1番.二塁」に定着し、ヤクルトの核弾頭として活躍。交流戦で優秀選手賞と首位打者のタイトルを獲ると、夢のオールスター戦にも出場し、第2戦ではホームランを放った。
そんな彼は大の巨人キラー。対巨人戦では本塁打6本、打率.333という恐るべき結果を出している。
今季こそチームは最下位に低迷したが、若きヤクルトの至宝は、今後、球界を背負う大打者に成長していくことだろう。

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