5 上本博紀(28歳)二塁手/阪神
"レギュラーの座は渡さない"骨折をも克服した核弾頭!

3月30日の阪神対巨人戦、開幕早々、阪神は悪夢に見舞われた。ボールを追った福留孝介と西岡剛が激突、西岡は救急車で病院に搬送され、長期離脱を余儀なくされたのだ。
だが、この悪夢を"ケガの功名"に代えたのが、プロ5年目の上本博紀内野手だ。この日、西岡に代わって登場した上本は、左翼席に本塁打を放って好調さをアピール。その後も上本は、首脳陣の信頼を勝ち取り、阪神の核弾頭として、「1番.二塁手」に定着。打率.281、打点38、本塁打7、出塁率.374、長打率.397と勝負強さを見せ、押しも押されもせぬチームリーダーとなった。

だが、その道のりも、決して順風満帆なものではなかった。5月3日のヤクルト戦で、右親指を骨折してしまったのだ。
せっかく掴んだレギュラーの座は誰にも渡さない!
「骨折した上本は、すぐにリハビリを始めます。2日後、西宮市内にある二軍施設で患部を固定しながら、室内でエアロバイクや体幹トレーニングなどをこなしました。そのおかげで、わずか半月後の5月20日には見事、戦線復帰を果たしたんです」(スポーツ紙記者)
ケガが刺激になったのか、その後は節目となる試合で勝負強さを発揮し続けることとなる。
たとえば8月15日のDeNA戦。走者一掃の決勝打を放ち、チームの連敗を止めたかと思うと、18日の同じくDeNA戦では、プレーボール直後の初球を叩いて本塁打で先制、4回にもタイムリーを打って、ベイスターズを突き放した。
同20日の中日戦では、上本の凡フライが、野手の接触によって勝ち越しタイムリーとなる幸運にも恵まれた。さらに、9月4日のDeNA戦でも、フルカウントから高めに浮いた変化球を見逃さず、逆転勝ち越しタイムリーを放っている。
彼の活躍がなければ、阪神がここまで優勝争いに絡んでくることはなかったかもしれない。そして、5月のケガの際、上本を見限らず、早期復帰させた阪神首脳陣の英断が彼を成長させたと言えるだろう。

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