実にズブズブの関係だ。一方、比留間氏の次の中央卸市場長・岡田至氏は、東京都歴史文化財団の副理事長に就任。同財団は、15年度に『東海道五十三次』を9400万円で購入し、「東京は、母屋(都庁)でも、離れ(外郭団体)でも、すき焼きを食べている」と批判されている。

「この他、市場長時代に、豊洲新市場に盛り土がない事実を把握していた塚本直之氏は、東京動物園協会の理事長に就いています」(前同) 都民の役に立っていれば天下りも“必要悪”と言えるのだが、「年収1500万円以上の報酬をもらいながら、事務局から何もしなくてもいいと言われる“お飾り”もいる」(都職員)という有り様だ。あんまりである。

 政治評論家の浅川博忠氏が言う。「第三者を入れた監視団体を設置し、きちんと監視すべきです。世論の支持も得やすい部分でもありますから、率先して進めていけるでしょう」 前出の鈴木氏は、「天下りの根絶は難しい。役人も、企業から“来てください”と言われたら、断れないですから。根源にある補助金制度を見直すべきです」 組織作りの手腕次第で、「容赦なきリストラ」も一気に進む。

 さて、もう一つ、小池氏が公約に掲げる“満員電車ゼロ”も、都政が大きく関わること。交通局は都の管轄であり、地方のトップは、交通インフラの変革のキーパーソンだ。事実、橋下氏は市長時代、大阪市交通局に斬り込んでいる。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5