ドローインのやり方は、以下の通りだ。

(1)胸を張って背筋を伸ばして立ち、息を大きく吸い込みながら、お腹に力を入れてお腹をへこませる。

(2)次に、息を吐きながら、さらにお腹をへこませる。

 これを毎日、朝晩10セット行うだけ。コツは、常にお腹に力を入れておくことと、息を長く吸い、長く吐くことだという。「また、ツイスト運動も効果的ですね。腰に手を当てて、上体を左右に振ります。呼吸を止めないように、しっかりとお腹に力を入れてください」(前同) 内臓脂肪は、あらゆる生活習慣病の元凶でもある。こんなに簡単に落とせるのなら、ぜひ実践したい。

 一見、筋肉とは関係なさそうでも、実は筋力の低下が原因の症状もある。それが老眼と排尿障害だ。40歳前後から手元の文字が見えにくくなる老眼も、実は筋肉が関係している。

「老眼は目の焦点を合わせる毛様体筋が、加齢によって衰えることで生じますから、そこをトレーニングすれば改善できます」(同) 金原氏が勧める“目の筋力トレーニング”がコレ。

(1)人差し指を目の前に持ってきて、焦点を合わせる。

(2)次に、腕を伸ばして人差し指を遠ざけ、そこに焦点を合わせる。

 これを交互に数回、こまめに繰り返す習慣をつければ、老眼の改善につながったり、発生を遠ざけられるそうだ。 尿意があるのに、なかなか出ない排尿障害や、何かの拍子にちょっと漏れてしまう尿漏れ。これも“年のせい”と諦めるのは早い。高齢者のリハビリテーション指導を手がける、前出の野呂田氏は、尿漏れに悩む人に「肛門括約筋トレーニング」を勧めている。

「尿意を催したら、トイレで10秒から20秒数えて排尿を我慢します。これを繰り返すと、排尿をコントロールする力がついてきますよ。また、つま先立ちになって10秒から20秒、肛門をギュッと締めてみましょう。しっかり肛門括約筋に力が入る感覚が分かると思います。尿漏れや便漏れが改善されますよ」

 また、排尿障害は前立腺の肥大化が原因で起きることもある。これも加齢による要因が大きいのだが、ある“トレーニング”で改善できると話すのは、科学ジャーナリストの川口友万氏。

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